商標侵害広告に困ったら…取り下げ依頼のための4ステップをわかりやすく解説
- 自社の商標を無断で使われているが、取り下げ依頼ってどうしたらいいの?
- 商標管理を行いたいけど、見つけられない&時間もない……。
- 商標侵害を受けてブランドイメージや広告効果が悪くなっている。
サービスや商品の商標管理は複雑な法的知識が必要だったり、手動による検索では限界があったりと、非常に負担の大きな作業です。一方で、売上やブランドイメージに多大な影響を与える商標を守れば、CV数の増加やCPA改善など、本来得られるべき「商標によるメリット」を取り戻すことができます。
この記事では、分かりにくい「商標侵害広告の発見・取り下げに必要な要素」を整理し、自動で商標管理ができる「商標パトローラー」をご紹介します。正しい知識で迅速な対応ができる環境を整え、ユーザーにも安心して選んで頂ける広告運用をしていきましょう。
目次
自社の商標広告はどうしたら守れるの?
「〇〇社の商品」「△△社のサービス」など、自社ブランドの分かりやすい目印となってくれるのが、商標です。その商標は法律によって「商標権」として保護されています。
では、商標広告で侵害を受ける、つまり不正に使われるとどのようなリスクがあるかを以下で見てみましょう。
- ブランドイメージの低下
- 売上の減少
- 広告コストの上昇
- ユーザーの混乱
商標は、企業やブランドのイメージそのものです。自社の知らないところで他社が不適切な使い方をしてしまうと、ブランドイメージは低下します。また、商標広告が分散されると、その分ユーザーの興味や「どこから買う(申し込む)か」という選択肢が増えてしまい、売上の減少原因に直結するリスクも。
アフィリエイトを始めとするリスティング広告では、さまざまなブランド名を使い利益を獲得するケースが少なくありません。もちろん「どうにかしたい」と危機意識を持っている企業がほとんどだと思います。
しかしいざ動こうとしても「どこで使われているのか見つけ出せない」や「発見時の対応方法が分からない」など、初手から動けない状況にいるのではないでしょうか。
次項から詳しい解説を進めていきますが、自社の商標広告を守るためには、発見から取り下げ依頼までに必要な要素を知ることが第一歩です。また記事後半で紹介する「商標パトローラー」は、自動でパトロールと通報ができるサービスですので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
【補足】商標リスティング広告について
今やインターネット上の定番となったリスティング広告の中でも、商標キーワードを使われる「商標リスティング」による侵害はダイレクトにユーザーの流出へと影響します。
商標リスティングとはどのようなものなのかを、先に整理しておきましょう。
商標リスティングとは
商標キーワードに対して出稿されるリスティング広告を、「商標リスティング」と呼びます。たとえば「〇〇(商標名)」で検索をかけると、画面上部に「スポンサー」と書かれて表示される広告です。
本来、商標キーワードとは、事業者にとっては検索結果の1位を独占できるものであり、ユーザーにとっては信頼度の高いページを簡単に見つけられるというもの。
では、どのような場合に商標リスティングのトラブルが起きるのかを、次の項目で見ていきましょう。
運用者によって使用可否が変わる
- 自社による商標リスティング:問題なし
- 競合他社による商標リスティング:広告文・説明文に商標キーワードを使用するのは禁止
- アフィリエイトでの商標リスティング:原則禁止
このように、商標リスティングは「運営者」によってキーワード使用の可否が分かれます。(競合他社による商標リスティングはケースによって異なります)一方で、商標キーワードを使っただけでは「商標権侵害」とまではいきません。
商標キーワードを使用している競合他社やアフィリエイターへの対応は、あくまでも「取り下げ依頼」です。ただし、なりすまし(もしくはユーザーが誤解してしまう使い方)の場合には「商標権侵害」が成立します。
インターネット上での侵害広告に悩む企業の多くは、この「商標リスティング」も大きな悩みの種となっていることでしょう。ここからさらに詳しい解説を進めていきますが、ぜひ知識を増やすだけではなく、「手動による管理負担はどれくらいになるのか?」をイメージしてみてください。
商標侵害広告を発見し取り下げ依頼するまでに必要な4つのステップ
商標広告を守るためには「発見」と「取り下げ依頼」が欠かせませんが、具体的には以下4つのステップが必要です。
- 広範なモニタリングと監視
- 法的知識と手続きの理解
- 類似調査と分析
- 連絡と対話
それぞれ詳しい解説を進めていきます。自社で進める場合にかかる時間や労力の負担はどれくらいになるのか?を考慮し、後半で紹介する商標パトロールサービスを検討するなど、踏み込んだ対策を立てていくことが重要です。
ステップ(1)広範なモニタリングと監視
商標広告は、”知らないうちに” 侵害されているケースが多くあります。まずは以下、よくある事例を見ていきましょう。
- 類似ロゴやデザインの使用
- 無断で商標名を使用した広告
- 無断使用されている商標名入りのドメイン
- 商標名を入れたキーワード設定
- 無断使用された商標名入りの広告文
仮に競合他社A社がキーワードや広告文に商標名を入れた場合、検索ユーザーに「これはA社の商品なのかも?」と誤解を与えたり、無意識にA社の商品へ誘導されたりなどのリスクが生まれることは、想像に難くありません。
このように広範なオンラインプラットフォームや広告に散らばる潜在的な侵害を追跡するには、モニタリングと監視が必要です。マンパワーだけでは到底追いつかず、実行したとしても時間と労力がかかります。
ステップ(2)法的知識と手続きの理解
自社の商標が侵害された場合、迅速な対応が必要になりますが、そこには「商標権に関する法的知識」「通報手続き」など、複雑な法的プロセスが含まれます。
たとえばYahoo!社やGoogle社など各広告媒体に対しては、商標侵害を受けている広告取り下げの申立が可能です。しかし適切な申立のためには、まずは各広告媒体の商標ポリシーと照らし合わせ、違反があるかどうかを確認しなければなりません。
さらにその後「商標権保有者であることを証明するための資料」や「侵害が発生している広告等の詳細」など、必要な情報や添付ファイルを準備して進めていきます。
どのようなケースにおいて侵害が成立するのかという法的知識と、手続きの理解は必要不可欠な要素です。
ステップ(3)類似調査と分析
先ほど解説したとおり、オンライン上のプラットフォームは広範なため、知らないところで自社の商標権が侵害されている可能性も十分にあります。自社の商標権が侵害されているかどうか、その可能性を探るためには、徹底的な類似調査と分析が必要です。
商標が類似しているかどうか、そもそも”類似”という概念は人の主観が伴うため、線引きが難しいところ。一番の基準は「消費者・中間取引者から見て似ているかどうか」です。
裁判所でも見解が分かれる類似基準には「外観(見た目)」「称呼(読み方)」「観念(意味合い)」の3つの要素が含まれ、手動で管理する場合にはこれらの要素から自社内で分析を進めます。
当然ながらインターネット上での使われ方など、それぞれの外観や称呼が持つ影響も考慮されるため、素人には厳密な判断がつきません。これらを踏まえ、「どこから専門家に依頼するか」も考えなければならないポイントとなるでしょう。
徹底的なリサーチ、そしてリサーチ結果に伴う分析には膨大な労力が必要となり、日々の業務を進めながらではなかなか難しいのが現実です。
ステップ(4)連絡と対話
自社の商標広告が無断で使用されているなど、「侵害を受けている」と判断した場合、すぐにでも取り下げ手続きに進みたくなりますよね。ですが、取り下げを依頼する前に以下の点を確認する必要があります。
- 登録商標(およびその商品)の商標権が確実に更新されているか確認する
- 相手方の商標権についての確認
- 相手方に「警告書」を送付する
自社の商標権だけではなく、相手方の商標権まで確認しないと、万が一「相手方のほうが先に商標権を取得していた」という場合、立場が逆になる可能性が出てきます。
その上で、いきなり訴訟などへ踏み込むのではなく、まずは「警告書」を送付するのが一般的な流れです。警告書と書きましたが、「お知らせ」や「取り下げ検討依頼」など、比較的優しい表現を使うことも可能です。
この書面には、以下の内容を記します。
- 差止請求・損害賠償・使用料のうちどれを求めるのか
- 話し合いで済ませるのか、訴訟まで考えているのか
- 具体的に侵害を受けている内容
このように侵害を受けた場合には、相手方の企業(または個人)に対する連絡と対話が必要となり、「相手方の出方を予測した上での対応方法」を考えた上での文書作成や通報等の手配をしなければなりません。
一度の連絡や警告書の送付で取り下げてくれればスムーズですが、相手方が連絡に応じない・無断使用しているケースが多すぎて対応が追いつかないなど、さまざまなトラブルの発生も考えられます。
自社の商標広告を守るために必要な対策
商標は大げさではなく「登録が更新され続ける限り守らなければならないもの」です。この先も長く自社商標を守るためにはどのような対策が必要とされるのかを、具体的に見ていきましょう。
再発防止策の実施
現在侵害されている商標や一度の商標侵害に対する取り下げだけではなく、「将来的に起こりうる侵害」への対策も重要です。くりかえしますが、オンラインプラットフォームは非常に広範で、他社ブランド名を使用したリスティング広告による利益獲得ケースは後を絶ちません。
現在から未来において、商標を守っていくためには「継続的なモニタリング」が必須となります。また、モニタリングを継続していくとともに、知識と情報のアップデートも求められます。
たとえばリスティング広告含むWEB広告に関する法律が、時代とともに変化していくことは、皆さんもご存じのとおり。分かりやすいところで言えば、薬機法や医療広告ガイドラインなどでは、文言の細かい部分にまでルールが確立されています。
社会的認知度の高いメディアであっても、ガイドラインの違反は発生しており、知識の少ない個人アフィリエイターによるメディアでは、こうしたアップデートに追いついていないケースもままあります。悪質なケースでは、利益最優先であえてルールを無視することも。
また、不動産業界の「宅建法の規制」や「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」、化粧品業界の「化粧品等の適正広告ガイドライン」など、業界それぞれにある独自の広告規制に関する知識も必要です。
もし違法広告による規制対象となったメディアで、自社の商標が使われていた場合、ブランドイメージや売上への影響は計り知れません。
つまり継続的なモニタリングと、違反にすぐ気付ける知識を持ち続けることは、両立させていかなければならないのです。
情報収集と分析
これまでお伝えしてきたとおり、商標侵害は「似ているからダメ」という単純な問題ではなく、細かい基準やルールに則った判断が必要です。将来的にも自社商標を守っていくためには、商標権に関するさまざまな情報を収集した上でのリサーチ、さらにそこから「本当に侵害されているケース」を見極める必要があります。
自動で守れる「商標パトローラー」が持つ強み
法律に関する知識をアップデートし続けながら、広範なオンラインプラットフォームで潜在的に埋もれている侵害ケースを見つけ、そこからさらに分析や連絡をする……、「自社内で対応するのは不可能」と感じた方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、弊社SORAMICHIが提供しているサービス「商標パトローラー」について、ご紹介していきます。
- 商標侵害広告の検索自動化
- 通報まで一括自動化
- レポートで状況共有
商標パトローラー4つのメリット
商標パトローラーを導入するメリットは、大きく分けて以下の4つあります。
- 商標侵害広告の検索精度UP
- CV数増加・CPA改善
- ブランドイメージ毀損の防止
- 社内の業務負荷の低減・業務効率化
それぞれどのように影響していくのかを、具体的にイメージしていきましょう。
メリット(1)商標侵害広告の検索精度UP
先にお伝えしたとおり、商標権が侵害されているかどうかには「見つける」という行為が必要です。自社内で商標が悪用されている広告を見つける場合には、どうしても手動となりますよね。
検索画面に商標キーワードを入れ、1つひとつのサイトをくまなく見ていかなければなりません。そしてそれでも、必ず商標権侵害広告を見つけられるとは限らず、人の手でやる限り精度には限界があります。
商標パトローラーを導入すると、手動による負担が減るだけではなく、精度そのものが上がり、これまで見落としていた違反広告の探知も可能です。
メリット(2)CV数増加・CPA改善
商標の無断使用は、本来上位に来るべき広告順位も低下するリスクが常にある状態です。広告順位が下がり、さまざまな媒体にサービスや商品が散らばってしまい、クリック数やCV数に悪影響を及ぼしていることは、大きな悩みのひとつではないでしょうか。
商標パトローラーによる徹底的で正確な探知は、ユーザーの違反広告流出を防ぎ、取りこぼしを無くします。結果としてCPA改善につながるだけではなく、”本来の予測”に伴う結果を取り戻せるため、より正確なPDCAサイクルも生まれます。
たとえば「改善すべき点」があったとして、違反広告への流出があるのとないのでは、見るべきポイントも変わってくるはずです。 違反広告への流出が無ければ、焦点をサービスや商品などに当てることができ、より生産性のある課題点として取り組めるようになります。
メリット(3)ブランドイメージ毀損の防止
冒頭でもお伝えしましたが、商標とは企業やブランドのイメージそのものです。現在はSNSの普及によって広告に携わらない一般のユーザーでも広告リテラシーが高く、敏感に反応します。
中でも誇大広告に関しては頻繁に話題に上がるため、大々的な規制対象とならずとも「これは嘘だろう」と瞬時に判別したり、口コミで広がったりします。そして問題なのは、ユーザーが判別できるのは「広告の見せ方が信頼できるかどうか」までであり、「商標権侵害」までは理解が及ばない、もしくは考えが至らない点です。
そのため、たとえば誇大広告だと判別した場合には「そういう広告の見せ方をする企業」としてイメージが植え付けられてしまいます。商標パトローラーによる常時の監視・通報は、ブランドイメージそのものを守ることにつながるのです。
メリット(4)社内の業務負荷の低減・業務効率化
商標侵害広告の発見から通報までを手動で行うとなれば、その分の負担が大きく増えます。「日々の業務に追われて商標チェックまでは手が回らない……」という悩みだけではなく、「商標侵害広告を見つけたけど、次はどうすればいいの?」とスムーズに次の段階へ進めない効率の悪さも出てくるはずです。
商標パトローラーでは、商標侵害広告の発見から通報までを一貫して自動で行います。業務負荷が軽減されるとともに、知識不足による足止めも改善され、社内業務全体の効率化へとつながっていくメリットは大きいのではないでしょうか。
本来守られて当たり前の商標権は商標パトローラーに任せ、生産性のある業務へ注力することが可能になります。
違反広告取り下げまでの流れ
ここからは商標パトローラーがどのようにして違反広告を見つけ、取り下げ確認までを行うのか、具体的なサポート内容を見ていきましょう。
1:商標チェック
商標パトローラーでは、マルチデバイス×クロールによる自動チェックを行います。
- 違反データの蓄積
- 証拠画像の取得
- レポート作成
違反広告を発見するだけではなく、その先の取り下げ依頼に必要な証拠画像なども、すべて自動で取得。さらに「法的商標侵害をしているかどうか」の判断までも行います。
法的商標侵害をしているかどうかについては、手動で行うと判断材料や知識が不足しがちなだけではなく、正確さにも不安が生まれます。商標パトローラーでは正確な判断が可能になるため、安心してお任せください。
2:通報対応
商標パトローラーで違反広告を発見した場合、弊社オペレーターによる通報を行います。
- 法的違反あり→各フォームへ申請
- 法的違反なし→商標出稿停止の連絡
法的違反がある場合には、前述したGoogle社やYahoo!社など、各媒体の専用フォームに申請を出します。法的違反がない場合でも、商標出稿停止の連絡を個別に行い、違反広告の取り下げに対応。
専門的な知識を持つオペレーターによる申請や連絡のため、不備による差し戻し等の心配もありません。
3:取り下げ状況の確認
申請や個別連絡をしたあとにも商標チェックは継続され、出稿停止がされているかどうかを目視で確認します。
商標侵害を行っている企業のリストアップから通報まで、状況をレポートで共有致しますので、「自社広告がどのような状況にあるか」を常に把握できるのもメリットです。
まとめ:商標を侵害広告から守ろう
今回解説してきたとおり、商標広告に関するルールや法律、そして手続きは非常に複雑です。発見するだけでも大きな労力を要し、日々の業務を圧迫します。
ご紹介した弊社SORAMICHIの「商標パトローラー」は、金融やアパレルなど、ブランディングを重視する企業様からご好評をいただき、実績を伸ばしているサービスです。
「広告効果を最大限に活用したい」「実際にどれくらい改善されるのか相談してみたい」など、ぜひお気軽にお問い合わせください。